RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
社内のエクセルマスターとしての地位を確立しており、今回その知識を最大限生かし執筆しています。
- 1. よく使う関数一覧
- 2. SUM関数 – 選択したセルの合計値を出したい
- 3. PRODUCT関数 – 選択したセルで掛け算をしたい
- 4. MAX関数 – 最大値を出したい
- 5. MIN関数 – 最小値を出したい
- 6. AVERAGE関数 – 平均値を出したい
- 7. ROUND関数 – 小数点を出さず整数で出したい
- 8. IF関数 – 計算結果などの条件で表示内容を変更したい
- 9. IFS関数 – 複数の条件で表示内容を変更したい
- 10. SUMIF関数 – 条件に当てはまった数値の合計を出したい
- 11. 合わせて覚えておきたいIF系関数
- 12. VLOOKUP関数 – 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい
- 13. XLOOKUP関数 – 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい
- 14. VLOOKUP関数とXLOOKUP関数の違いについて
- 15. TODAY関数,NOW関数 – 今日の日付を自動入力したい
- 16. EOMONTH関数 – 月末の日付を調べたい
- 17. よく使うEXCEL関数13選まとめ
よく使う関数一覧
EXCELを使って事務処理を行う機会は多いものですが、表の中にある数字をひとつひとつ電卓で計算するのは効率的ではありません。
これから紹介する関数を使いこなすことで業務のスピードは格段に上がり、面倒な作業の効率化や残業の削減にもつながります。
EXCELで利用できる関数は数多くありますが、実際に仕事の現場で利用される頻度の多い関数を一覧で紹介します。
すべての関数を覚えることは困難ですので、多くの事務処理をカバーできる以下の関数を覚えておけば問題はありません。
SUM関数 | 選択したセルの合計値を出したい【足し算】 |
PRODUCT関数 | 選択したセルで掛け算をしたい【掛け算】 |
MAX関数 | 最大値を出したい |
MIN関数 | 最小値を出したい |
AVERAGE関数 | 平均値を出したい |
ROUND関数 | 小数点を出さず整数で出したい |
IF関数 | 計算結果などの条件で表示内容を変更したい |
IFS関数 | 複数の条件で表示内容を変更したい |
SUMIF関数 | 条件に当てはまった数値の合計を出したい |
VLOOKUP関数 | 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい |
XLOOKUP関数 | 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい |
TODAY関数 | 今日の日付を自動入力したい |
EOMONTH関数 | 月末の日付を調べたい |
SUM関数 – 選択したセルの合計値を出したい
SUM関数は、指定した範囲のセルにある数値の合計を計算するための関数です。
使用例
SUM関数は、EXCELの表中で数量(個数)・人数・金額などの数値データを足し算して合計値を計算することができます。
SUM関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 見積書や発注書などで物品の個数、金額の合計を出したい
- 人事配置で各部署ごとの合計人数を計算したい
使い方
関数の入力
結果の表示
SUM関数を使うには、計算結果を表示させたいセルに計算式を記述して利用します。
まず、【=SUM】を入力してSUM関数を用いて計算することを宣言します。
続けて、【( )】内に計算対象とするセルを指定します。
セルの指定方法として、大まかに2種類が利用されます。
1つ目の方法は【=SUM(C4:C8)】というように、計算対象セルを「範囲」で指定する方法です。
この方法を利用すると、指定した範囲の中にあるすべての数値を合計することができます。
例として、見積書や納品書などのように数字が一列・一行に並んでいる場合にはこの方法を使います。
2つ目の方法は【=SUM(C3,C5,E3…)】というように、計算対象セルを【,(カンマ)】で区切って1つずつ指定する方法です。
この方法を使う場合、セルは隣り合っていたり上下に並んでいる必要はありません。
計算しようとする表中の数値があちこちのセルに分散している場合には、この方法を使います。
PRODUCT関数 – 選択したセルで掛け算をしたい
PRODUCT関数は、掛け算をした合計値(積)を計算するための関数です。
Excelの表中で、指定したセル同士の掛け算をした合計値を計算することができます。
使用例
PRODUCT関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 単価と数量を掛け算した費用積算書、見積書
- 時間数と時給を掛け算した給与計算
- 利益率を考慮した利益額計算
使い方
PRODUCT関数を利用するには、計算結果を表示したいセルに計算式を記述して利用します。
まず【=PRODUCT】を入力して、PRODUCT関数を用いて計算することを宣言します。
続けて、【()】内に計算対象とするセルを指定します。
セルの指定方法として、大まかに2種類が利用されます。
1つ目の方法は【=PRODUCT(B2:B10)】というように、計算対象セルを「範囲」で指定する方法です。
例として計算対象が【単価×数量×消費税額】というように複数あり、一列・一行に並んでいる場合にはこの方法を使います。
2つ目の方法は【=PRODUCT(B2,B3,B4…)】というように、計算対象セルを【,(カンマ)】で区切って1つずつ指定する方法です。
この方法を使う場合、セルは隣り合っていたり上下に並んでいる必要はありません。
MAX関数 – 最大値を出したい
MAX関数は、指定した複数のセルの中での最大の数値を求める際に利用します。
最大数値を求める関数であるため、数量・金額・人数などの場面で活用できます。
使用例
MAX関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 成果や成績の最大値を求める
- 社内部署の最大人数を求める
- 年間で最も売上が高かった月を求める
使い方
MAX関数を利用するには、まず一定範囲に数値が入力されたセルが複数必要です。
計算結果を表示するセルに【=MAX】を入力して、MAX関数を使うことを宣言します。
続けて、【()】でセルの範囲を指定します。
数値が入力されているセルが1行または1列の場合には、【(C3:C14)】のように範囲で指定することができます。
数値が入力されているセルが複数行・複数列にまたがっている場合には、【(C3,C5,E3,E5…)】というように、【,(カンマ)】で区切って指定することもできます。
MIN関数 – 最小値を出したい
MIN関数は、指定した複数のセルの中での最小の数値を求める際に利用します。
最小数値を求める関数であるため、数量・金額・人数などの場面で活用できます。
使用例
MIN関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 発注見積もりで最も安かった金額を確認する
- 最も残業数が少なかったときの時間数を確認する
- 年間で最も売上が低かった月を求める
使い方
MIN関数を利用するには、まず一定範囲に数値が入力されたセルが複数必要です。
計算結果を表示するセルに【=MIN】を入力して、MIN関数を使うことを宣言します。
続けて、【()】でセルの範囲を指定します。
数値が入力されているセルが1行または1列の場合には、【(D4:D15)】のように範囲で指定することができます。
数値が入力されているセルが複数行・複数列にまたがっている場合には、【(B3,B5,E3,E5…)】というように、【,(カンマ)】で区切って指定することもできます。
AVERAGE関数 – 平均値を出したい
簡単なAVERAGE関数の説明
AVERAGE関数は、指定した複数のセルの中での平均の数値を求める際に利用します。
数量・時間・人数などの平均を求めたい場合に活用できます。
使用例
AVERAGE関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 部署内の平均稼働時間・残業時間を求めたい
- 発注業務での予算平均を出したい
- 営業スタッフの平均受注率を出したい
使い方
関数の使い方をスクリーンショットを用いながら説明
AVERAGE関数を利用するには、まず一定範囲に数値が入力されたセルが複数必要です。
計算結果を表示するセルに【=AVERAGE】を入力して、AVERAGE関数を使うことを宣言します。
続けて、【()】でセルの範囲を指定します。
数値が入力されているセルが1行または1列の場合には、【(D4:D15)】のように範囲で指定することができます。
数値が入力されているセルが複数行・複数列にまたがっている場合には、【(B3,B5,E3,E5…)】というように、【,(カンマ)】で区切って指定することもできます。
ROUND関数 – 小数点を出さず整数で出したい
ROUND関数は、数値が入力されているセルに対して【小数点を出さずに整数で表示させる】ための関数です。
馴染み深い言葉で表現すると、【四捨五入】という表現です。
使用例
ROUND関数を利用する場面としては、以下のようなケースが考えられます。
- 売上金など小数点以下が出やすい表について見やすく整理する
- 勤務時間を小数点切り上げで計算する
使い方
ROUND関数を利用するには、まず小数点を切り上げるための元の数字となるセルが必要です。
四捨五入したあとの数字を表示させたいセルに、【=ROUND】と記入し、ROUND関数を使うことを宣言します。
続けて、【小数点が入っている数字(元の数字)】が入っているセルを指定すれば完成です。
なお、上記の基本的な使い方に加えて【小数点以下第何位で切り捨てるか】を選択することもできます。
この場合は【=ROUND(C15,1)】などのように、元の数字が記載されているセルの指定のあとに数字を記入します。
小数点以下第1位で四捨五入してよい場合は何も記入せず、第2位まで計算したい場合は【1】を記入します。
この例の場合は元の数字が【173.05】であり、【1】を記入したため小数点以下第2位の【5】までを計算したため【173.1】となりました。
IF関数 – 計算結果などの条件で表示内容を変更したい
IF関数は【論理式】を指定し、その式に対して【真】か【偽】かという条件を指定して表示させることができる関数です。
使用例
IF関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- ある店舗や部署の売上金額を入力した際に目標の達成・不達成を一目で判別したい
- イベントや展示会などで来場者数が一定以上であった日を自動で判別したい
使い方
【真】や【偽】という言葉は耳慣れないため、IF関数は難しいという印象を持たれがちです。
しかし、実際に式を組んでみると簡単に活用できることがわかります。
あるイベントに対しての来場者数が一定以上であった日を【満員】と定義し、それをIF関数で判別してみましょう。
他の関数と同様に【=IF】でIF関数を利用することを宣言することは変わりませんが、IF関数の場合にはこのあとに【条件式】を追記します。
IF関数の条件式の書き方は、以下のとおりです。
例として上記の表を参照します。
各日ごとの来場者数が記載されていますが、このうち【1200以上】の来場者があった日を【満員】として報告する必要があるケースを想定します。
この場合、条件式には【B列の数値が1200以上である】という条件を記載します。
【>=】というのは【大なりイコール】であり、【以上】を意味します。
この記号は設定したい条件によって、【>(大なり)】【<(小なり)】【<=(小なりイコール)】【=(イコール)】などを設定することができます。
次に、【真の場合の値】と【偽の場合の値】を設定します。
これは【条件式を満たす場合】と【満たさない場合】と便宜的に考えるとわかりやすいでしょう。
つまりこの場合【B列の値が1200以上である】場合は真、【未満である】場合は偽となるわけです。
では実際にどのような値を表示させるかですが、今回の事例では【満員である旨を報告する】ので、C列に【満員】と表示させるとわかりやすいですね。
そのため、【真の場合】は “満員”【偽】の場合は ” “(空欄)を記入します。
この関数をC列の全てにコピーすると、以下のようになります。
条件を満たす【真】の場合のみテキストを指定したため、満員として報告しなければならない日だけが一目瞭然となりました。
IFS関数 – 複数の条件で表示内容を変更したい
IFS関数は、複数の条件を設定して表示内容を変更する関数です。
IF関数では、条件式1つに対して【真】または【偽】の2通りの表示内容でした。
IFS関数では、論理式を複数設けて、複数の内容を表示させることができます。
使用例
IFS関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 顧客のステータス判定として、月間購入回数に応じたランク制度の判定
- 部署人数に応じたオフィス機器の割当表の作成
使い方
IFS関数を利用するには、他の関数と同様に【=IFS】を宣言します。
その後、【論理式+真の場合の表示】というセットを繰り返すことで複数の条件を設定できます。
ここでは例としてD列にある【ランク判定基準】に応じて、顧客ランクをIFS関数で計算してみます。
ランク判定はC列で行うため、ここにIFS関数を入力します。
【=IFS】のあとの論理式については、【基準の厳しい順】に論理式を定義していきます。
たとえばこの表においては【ゴールド】が最も厳しい基準となるため、ゴールドから順に定義していきます。
例としてゴールドの式では【B4】セルの【月間購入回数】が10回以上となっていれば、”ゴールド”という文字列をC列に反映するように一つの式を作っています。
この論理式のまとまりを【,(カンマ)】で区切って次々と記載していきます。
この関数をC列のすべてのセルにコピーすると、以下のようになります。
B列の月間購入回数を目視で確認して入力せずともC列のランク判定が自動で判別されるため、非常に効率的に顧客ランクを管理することができます。
SUMIF関数 – 条件に当てはまった数値の合計を出したい
SUMIF関数は、条件に当てはまった数値のみを合計するという関数です。
使用例
SUMIF関数を利用する場面としては、たとえば以下のようなケースが考えられます。
- 部署全員の勤務時間のうち、日曜日の出勤分だけを合計したい場合
- 発注した備品の納品書・領収書のうち、自部署の金額のみを合計したい場合
使い方
SUMIF関数を使うには、まずSUMIF関数を用いて計算結果を表示したいセルに【SUMIF】を宣言します。
今回は例として上の表を使い、日曜出勤の実働時間だけを合計しましょう。
同様のことはSUM関数で日曜日のセルだけを個別に指定することもできますが、曜日という検索データがあるため、SUMIF関数のほうが効率的に実現できるのです。
【=SUMIF】のあとには、検索範囲・検索条件・合計範囲を入力します。
まず【検索範囲】は曜日が記載されている範囲となるため、【(B3:B17)】と入力します。
次に検索上限ですが、文字列を指定することができます。
この場合はと【日】が対象となるため、【”日”】と入力します。
そして【合計範囲】は、計算対象とする列を指定するため、C列の【(C3:C17)】を範囲指定します。
関数がこのように入力できれば完了です。
これを確定すると、以下のようになります。
C列の数値のうち、B列が【日】となっているC4・C11だけが抽出されて検索され【8】の計算結果となりました。
合わせて覚えておきたいIF系関数
IF系の関数は様々な種類があることを説明
AVERAGEIF関数 | 条件を指定して平均値を求める |
AVERAGEIFS関数 | 複数の条件を指定して平均値を求める |
COUNTIF関数 | 条件に一致するデータの個数を数える |
COUNTIFS関数 | 複数の条件に一致するデータの個数を数える |
MAXIFS関数 | 複数の条件に対応する範囲の中から最大値を求める |
MANIFS関数 | 複数の条件に対応する範囲の中から最小値を求める |
これらの関数は、EXCELを利用するうえで必須ではありません。
ある関数(たとえばCOUNTやAVERAGE)にIFという条件を加えた関数であるため、応用といった色合いが強いものです。
そのため、これらの関数を使いこなすことで、さらなる作業効率の向上が見込めます。
VLOOKUP関数 – 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい
VLOOKUPはEXCELの表を縦方向に検索して、特定の検索値に該当するデータを取り出す関数です。
使用例
EXCELの表は様々な使い方がありますが、たとえば商品の価格管理表などのように行数が多い表もあります。
このようなときに表をスクロールして探したり、ページ内検索で探すというのは非効率かつミスを生む原因にもなります。
VLOOKUPは【どのデータを使って・どの範囲を検索して・どの列の値を返すか】ということを設定することができます。
元となる表をしっかりと作り込めば、以下のような場面でEXCELを簡易的な検索システムとして活用することもできます。
- 商品IDや商品コードを検索データとした簡易的な商品名・価格管理システム
- 顧客の電話番号を検索データとした簡易的な電話帳
使い方
例として、上のような商品管理表があるとします。
ここに、VLOOKUPで検索するための行を用意します。
【=VLOOKUP】でVLOOKUP関数を使うことを宣言するのは同様ですが、VLOOKUPの場合はこのあとにいくつかの【引数(ひきすう)】を指定します。
引数というと耳慣れない方もいるかもしれませんが、以下の画像を参考にすると理解しやすいでしょう。
それぞれ具体的に解説します。
まず、今回は【商品コード】を使って検索すると【商品名】を返してくれる検索システムを作りたいと仮定します。
この場合、最初の引数である【検索するデータ】は【商品コード】となります。
この【検索したい商品コード】を表の一番左上【A1】セルに入力すると、VLOOKUP関数を入力した【B1】のセルに商品名が表示されるようにしましょう。
これを数式に反映するには、最初の【検索するデータ】の部分に【A1】を記入します。
【どこに入力されたもので表の中を検索するのか】と考えるとわかりやすいでしょう。
次に【検索範囲】は、表全体から検索しなければならないため、【(A4:D19)】と記入します。
【列番号】は、【表示させたいデータが検索範囲の左から何列目にあるか】を指定します。
今回は左から2列目の商品名を表示してほしいため、【2】を記入します。
最後に【検索の型】を指定します。
これは検索したデータが見つからないときに、どのように応答するかということを設定する引数です。
【TRUE】と【FALSE】という2つの指定方法があります。
【TRUE】はデータが見つからないとき、【検索値を超えない範囲での最大値を返す】という動きをします。
【FALSE】ではデータが見つからないとき、エラーを返します。
今回のシステムでは、最大値を返してほしいわけではないため【FALSE】を記入します。
上の画像のようになれば関数は完成です。
これを確定すると【#N/A】といったようなエラーがB1セルに反映されます。
しかしこれはA1セルに検索データが入っていないというエラーになりますので、心配ありません。
では実際に検索をしてみましょう。
顧客から【B03】の商品について問い合わせがあり、商品を特定したいという状況を想定します。
A1セルに【B03】を入力して確定します。
このように、【B03】に対応する商品名がB1セルに表示されました。
同様の手順を使って【A1】セルに商品コードが入力された場合に【C1】セルに価格を表示させたり、【D1】セルに在庫有無を表示させることもできます。
返す値を変えるには、引数の3番目【列番号】を変えれば実現できます。
同様の手順で、D1セルに【在庫有無】も同時に表示させるように引数を設定します。
このようにVLOOKUP関数を並べたことで【A1】セルに商品コードを入力すると、【商品名・価格・在庫有無】が一瞬で判明するようになりました。
顧客からの問い合わせ時に簡易的に検索ができるシステムとしても活用できます。
XLOOKUP関数 – 条件に当てはまるセルを探したい、表示したい
XLOOKUP関数はVLOOKUP関数とほぼ動作は同じですが、より詳細な設定ができる関数です。
使用例
ある範囲にあるデータを検索データを使って検索し表示するというのがVLOOKUP関数でした。
XLOOKUPはVLOOKUPよりも多くの引数を指定することができるため、より詳細な検索方法を指定できます。
利用する場面としては、ほぼVLOOKUPと同様となります。
- 商品IDや商品コードを検索データとした簡易的な商品名・価格管理システム
- 顧客の電話番号を検索データとした簡易的な電話帳
使い方
VLOOKUPと同様に、上記画像の4行以下の商品リストから商品を検索する関数を設定してみましょう。
XLOOKUPもVLOOKUPと同様に、【=XLOOKUP】を宣言してから【引数(ひきすう)】を指定します。
ただし、XLOOKUPの引数はVLOOKUPよりも種類が多くなっています。
引数の指定はVLOOKUPと一部重なります。
- 検索データ…どのセルに入力されたデータで検索するか。
- 検索する範囲…関数で検索する範囲を指定
ここまではVLOOKUPと同様ですが、新たにXLOOKUPでは【戻り範囲】・【見つからない場合】・【一致モード】・【検索モード】という引数があります。
【戻り範囲】は、VLOOKUPでいうところの【列番号】です。
VLOOKUPは【検索範囲の左から何列目の値を返すか】で指定していましたが、XLOOKUPでは【戻り範囲】で直接セルの範囲を指定します。
つまり、上の図の例で言えば【(B6:B21)】となります。
【見つからない場合】は、VLOOKUPでは【TRUE】と【FALSE】という慣れない方法で指定していたものを、直接どのような値を表示するか指定できるようになりました。
この項目は省略することもでき、その場合は「#N/A」の値が返されます。
文字のほうがわかりやすいという場合には、”該当なし”などと入力すると使い勝手が良くなります。
【一致モード】では検索する値と【完全一致】の値だけを返すか、完全一致しない場合に【次の大きな値】【次の小さな値】(検索データに近い値)を返すかを選択することができます。
この項目も省略することができ、省略した場合には完全一致の値もしくはエラーのみを返します。
【次の大きな値】を返させたい場合は【1】、【次の小さな値】を返させたい場合は【-1】を入力します。
【検索モード】では、どのような順番で検索するかを指定できます。
この項目も省略することができ、省略した場合は先頭から末尾に向けて検索を行います。
何らかの事情で、下から上に向かって検索をしたいという場合には、【-1】を入力します。
関数を使って行うことはVLOOKUPとそれほど変わりませんが、より詳細な条件で検索を行うことができるのがXLOOKUP関数です。
VLOOKUP関数とXLOOKUP関数の違いについて
上の項目を踏まえてVLOOKUPとXLOOKUPを比較すると、以下の違いがあります。
- 【VLOOKUP】結果範囲の指定が【列番号】/ 【XLOOKUP】結果範囲を直接指定(【戻り範囲】)
- 【VLOOKUP】見つからない場合【TRUE】【FALSE】で指定 / 【XLOOKUP】見つからない場合のテキスト指定が可能
- 【XLOOKUP】【一致モード】の指定が可能
- 【XLOOKUP】【検索モード】の指定が可能
TODAY関数,NOW関数 – 今日の日付を自動入力したい
TODAY関数は、【ファイルを開いたとき】【印刷したとき】【F9キーを押したとき】に常に最新の日付を自動で表示するための関数です。
NOW関数は、TODAY関数と同様のタイミングで【最新の日付+時刻】を表示するための関数です。
使用例
TODAY関数・NOW関数は、ファイルを開いたり印刷したりというタイミングで常に最新の日付・時刻が表示されるようになる関数です。
このような性質から、次のような場面で活用されます。
- 請求書など【いつ時点で発行したものか】が重要な書類を作る場合
- 日報など【常に日付が更新される書類】を作る場合
使い方
TODAY関数の場合、日付を挿入したいセルに【=TODAY()】を入力すると、日付が表示されるようになります。
NOW関数の場合も同様に日付・時刻を挿入したいセルに【=NOW()】を入力すると、日付・時刻が表示されるようになります。
なお、紙で印刷する場合には問題ありませんが、TODAY関数・NOW関数は【ファイルを開くたびに最新の日付に変更される】という性質をしっかりと理解しておきましょう。
EOMONTH関数 – 月末の日付を調べたい
EOMONTH関数は、【指定した日を基準として、月の最終の日(月末)】の日付を計算することができる関数です。
使用例
EOMONTH関数は、以下のような場合に活用することができます。
- 給与支払日や休暇付与日など、月末を締め日として数字を扱う場合
- 数ヶ月ごとに月末基準で付与される福利厚生制度などの計算
- 有効期限が2ヶ月後の月末など、ライセンス管理の計算
使い方
EOMONTH関数を使うには、まず【基準日】が必要です。
月末最終日の日付を入力したいセルに対して、まずは【=EOMONTH】でEOMONTH関数を使うことを宣言します。
続けて、(C15,0)と入力すると【C15セルにある日付を基準とした月末最終日】が入力されます。
(B2,0)の【0】は【当月の月末】を表しますが、これを【1】に変えると1ヶ月後の月末を表します。
【-1】を入力した場合には、【先月末(1ヶ月前)】の月末を表示させることができます。
たとえば基準日から2ヶ月前の月末最終日を求めたい場合、【-2】を入力するということになります。
よく使うEXCEL関数13選まとめ
EXCELの関数は、使いこなすことで作業効率の大幅な上昇につながります!
せっかくEXCELを使っていても、ある計算をするために電卓を叩いたり紙に書いたりするというのは手間も時間もかかります。
とはいえ、最初からすべての関数を暗記することは難しいですよね?
この記事でご紹介した【頻繁に利用される13個の関数】を使えるだけでもかなりの作業効率の向上が期待できます。
画像の例も参考にしつつ、日々の業務にお役立てください。