【Power Automate】定期スケジュールを実行する方法

投稿日:2023年01月07日 | 最終更新日:2023年11月10日 | パワーオートメイト

【Power Automate】定期スケジュールを実行する方法

この記事では、Power Automate Desktopを使って

  • 定期的に業務を実行する方法
  • スケジュールを設定する方法

について解説しています。

Power Automate Desktopの準備

  1. Power Automate Desktopがまだインストールされていない場合には、下記よりダウンロードをお願いいたします。
  2. ダウンロード後は、Microsoftアカウントでサインインします。
    なお、Power Automate Desktopは無償版が提供されており、無料で利用可能です。

https://flow.microsoft.com/en-us/blog/automate-tasks-with-power-automate-desktop-for-windows-10-no-additional-cost/

インストールや準備でお困りの方は、こちらの記事で詳細を説明していますのでご参照ください。

→Power Automateデスクトップの準備記事をリンク設置

準備の詳細についてはこちらをご参考ください。

→Power Automateデスクトップの準備記事をリンク設置

スケジュール実行とは?

Power Automate Desktopのスケジュール実行とは、指定した間隔で同じ処理を繰り返し実行するというものです。

毎日定期的に行っている処理を自動化したり、一日のうち定期的な時間にさせている業務などを通知したりする際に活用することができます。

こんな業務の自動化におすすめ!

たとえば、以下のような業務を自動化したい場合に便利に活用できます。

一日数回の稼働確認や休憩確認

一日の業務時間のうち、休憩の取得や出勤状況を確認するというシーンを想定します。

たとえば9時間の業務時間のうち4時間毎に1度従業員の交代があり、交代した従業員の出欠状況を確認するなどのシーンが想定できます。

また、1日の稼働時間のうち任意のタイミングで1回は1時間の休憩を取得しなければならないという場合に休憩の取得状況を確認するようメッセージで促すこともできます。

これらの処理を手動で行おうとすると自分で頻繁に時計を確認したりする必要がありますが、ポップアップメッセージなどで通知してくれるようになれば処理漏れも防ぐことができます。

メールを自動確認し、受信したら部署全体に共有して通知を送信する

たとえば重要なクライアントや、優先して処理しなければならない緊急案件に関するメールがクライアントから届くような場合には見落としが許されません。

このようなとき、指定のメールアドレスから受信したかどうかをPower Automate Desktop側でフィルターして確認するという設定ができます。

また、Power Automate Desktop側で自動でメールチェックの処理を回し続ければメールの見落としやチェック漏れも防ぐことができます。

一定時間ごとに指定のフォルダを確認しファイルが追加されたら通知する

社内で共有フォルダを持っている場合などで、進行している案件に関する報告書の提出を待っているようなシーンを想定します。

ファイルが完成したらすぐに処理を始めなければならないような状況であれば、自分でいちいちフォルダを確認しにいったり担当部署に電話で確認をするより自動で確認してくれれば便利です。

また、追加された際に自動で通知されるようにしておけば、見落としも防げます。

実際にスケジュールを実行して業務自動化する

上記でおすすめした業務はすべて【手動でもできるが、自動化したほうが便利で確実】なものです。

つまり一定時間ごとに単純作業を繰り返さなければならないようなシーンに最適です。

それでは実際に、3番目に解説した【一定時間ごとに指定のフォルダを確認しファイルが追加されたら通知する】をPower Automate Desktopで実現してみましょう。

Step1.【繰り返し処理を行う】ループ条件を設定する

まずは、【繰り返しこれから指定する処理を行いなさい】という【ループ条件】を作成します。

フローの作成においては、自分がわかりやすいフロー名をつけましょう。

フローの作成

アクションの指定画面では、【ループ】から【ループ条件】を選びます。

ループ条件

ループ条件の設定画面

【ループ条件】のウィンドウが現れたら、【最初のオペランド】【2番目のオペランド】の項目にいずれも【1】を記入します。

【演算子】は【と等しい(=)】を選択しておきます。

この式の意味は【ループ処理の判定を真にし続ける】ということなのですが、わかりやすく言い換えれば、【手動で停止しない限り同じ処理を繰り返す】と理解してよいでしょう。

記入が終わったら、【保存】をクリックします。

メイン画面①

そうすると、メイン画面は上図のような表示となります。

これでループ処理を行うという宣言はできたため、以降のステップで【実際にどのような条件でどのような処理をループするのか】を記載していきます。

Step2. 場所の指定とファイルの有無の確認

次に、場所の指定とその場所にファイルがあるかないかを確認するという処理を記述します。

ファイルが存在する場合

【アクション】の中にある【ファイル】から【ファイルが存在する場合】を選択します。

ファイルが存在する場合の設定画面

【ファイルが存在する場合】のウィンドウが現れたら、【ファイルが次の場合】は【存在する】を選択します。

確認しにいく場所については直接ファイルパスを書き込んでも構いませんが、右側にあるファイルのアイコンをクリックすることでエクスプローラ上から選択することもできます。

指定ファイルの置き場所①

今回は仮にCドライブ直下に【業務用】、その下に【報告ファイル】というフォルダを用意しました。

ネットワークドライブやDropbox・Googleドライブなどのクラウドストレージを使っている場合でも、同様の方法で選択すれば場所の指定は可能です。

houkoku.txtの指定

最後に、報告用のファイル名を追加します。
今回は仮に【houkoku.txt】としました。

ファイルが存在する場合の設定画面②

上図のような状態になったら、【保存】をクリックします。

メイン画面②

保存されたファイルの存在確認処理を、【ループ条件】の中にドラッグします。

ここまでの処理で、【指定した場所にhoukoku.txtというファイルが存在するかを確認する】という内容が完成しました。

Step3. ファイルが存在する場合に通知を表示する

では、Step2.で行った処理により【houkoku.txt】のファイルが存在する場合にその旨を通知する設定をします。

メッセージの表示

【アクション】から【メッセージ ボックス】【メッセージを表示】を選択します。

メッセージの内容設定画面

【メッセージを表示】のウィンドウが現れたら、内容を入力します。

メッセージボックスのタイトルや表示するメッセージは任意に設定できるので、自分のわかりやすい内容にしておきましょう。

その他の項目は任意に設定できますが、いったんこの内容で【保存】します。

Step4. 追加されたファイルを別の場所に移動する

次に、追加されたファイルを別の場所に自動で移動しておきます。

この処理を行う理由は、これまで設定してきた内容が影響しています。

【指定した場所にファイルファイルがある】場合に通知されるので、この処理を行わないと自動でファイルを検知し続け、通知が繰り返されてしまうためです。

ファイルの移動

【アクション】から【ファイル】【ファイルの移動】を選択します。

ファイルの移動の設定画面

【ファイルの移動】のウィンドウが現れたら、【移動するファイル】と【宛先フォルダー】を指定します。

【移動するファイル】は、ファイルの存在確認で指定したStep3.の場所と同じものを指定します。

【宛先フォルダー】は移動先を指定するので任意の場所でOKです。

これらの処理を設定したら、【保存】をクリックします。

メイン画面③

【メッセージを表示】と【ファイルの移動】の処理を、【ファイルが存在する場合】と【End】の間に移動します。

Step5.処理頻度調整のために待機時間を指定する

Step1から4までの処理によって機能的には完成しているフローですが、今の状態では定期的にチェックするというよりもリアルタイムにチェックし続けるという内容です。

このような処理を繰り返すとCPUへの負荷も高くなるため、ある程度時間を置いてチェックをするのが実用的です。

そのため、処理頻度を調整するために待機時間を指定し定期的にチェックをするという処理条件を付与します。

【アクション】から【フローコントロール】【Wait】を選択します。

Wait

【Wait】のウィンドウが表示されたら、【期間】の項目を入力します。

期間の設定画面

任意に指定できますが、今回は仮として【30】を入力しましょう。

これで30秒間の待機を含んだスケジュール実行が可能です。

【Wait】の項目を、【ファイルが存在する場合】の【End】と【ループ条件】の【End】との間に移動します。

メイン画面④

それでは実際に実行してみます。
テスト用に用意したフォルダに、【houkoku.txt】というファイルを追加しておきます。

houkoku.txtの設置

実行ボタンを押下します。

実行ボタン

ファイルがあるため、事前に設定していたように通知が表示されました。

通知メッセージの表示

ファイルの移動①

そしてこの段階でメッセージの【OK】をクリックすると、【報告ファイル】から【houkoku.txt】が消え【業務用】フォルダに移動されていることがわかります。

移動先フォルダ

この後もループ処理が正常に機能し、30秒の待機時間の後に冒頭に戻って実行しなおしている様子が確認できるはずです。

スケジュールしたループ処理を停止したい場合には、手動で停止ボタンを押すことを忘れないようにしましょう。

よくある設定可能なスケジュールパターン

先に待機時間を設定した【Wait】の項目ですが、ここは【秒】で設定したことを覚えている方も多いでしょう。

1分が60秒であることは概ねすぐに思いつくでしょうが、他にも一時間おきや一日・一週間おきといった頻度を設定したい場合もあるでしょう。

そのような場合には何秒を指定すればよいか、以下の表をご参照ください。

時間 秒に変換後
1時間 3600秒
1日 86400秒
1週 604800秒

先の例では30秒おきに実行していた処理ですが、Power Automate Desktopが実行し続けられる環境を整えれば1日おき、1週間おきといった指定も可能です。

【Power Automate】【Power Automate Desktop】の違いとは?

今回は、Power Automate Desktopについてこれまで解説してきました。

しかし、似たようなソフトウェアに【Power Automate】というものもあります。

いずれもMicrosoft社の自動化処理用のソフトウェアですが、両者には違いがあります。

今回利用したPower Automate Desktopは、Power Automate Desktopというソフトウェア上でフローを作成して実行するものです。

そのため、どのような処理を行うのかをという構成は、比較的自由度が高いものとなります。

一方、Power AutomateはPower Automate Desktopのようにソフトウェアをインストールして利用するものではありません。

クラウド上、またはアプリ上からほかのアプリへの【コネクタ】を介した接続と自動化という点に特化しています。

考え方としては、スプレッドシートとGoogle Driveの接続やメールとカレンダーとの連携といったイメージが近いでしょう。

違いを詳しく知りたい方はこちらをご参考ください。

→【Power AutomateとPower Automateデスクトップの違いについて】記事へリンク設置

定期スケジュール実行まとめ

この記事では、スケジュールを設定して繰り返し実行を行う処理について解説しました。

同じ処理を何度も人間が行うというのは、簡単なようで忘れてしまったり漏れてしまったりすることがあります。

このような定期的な処理を業務で行う場合には、Power Automate Desktopのスケジュール機能を利用するのが確実で効率的です。

この記事で解説した内容を参考にし、業務に活用しやすいスケジュール処理を作成してみてください。

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