- RPAを導入したいけど失敗したくない!
- 導入が成功する方法を知りたい!
- RPAを検討しているが何をしたらいいのかわからない!
などと導入前の不安は皆さま抱えているかと思います。
本記事ではRPA導入が失敗に終わる原因と成功への鉄則を現役RPA開発者がお伝えします!
RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
失敗するRPAの特徴6つ!RPA開発者が教える意味のないRPA事例
一番はじめに私がRPAに触れたのは2019年の時です。
そこから1,2ヶ月はRPAに触れながら本業をこなしていたのですが、
本業が忙しくなるとRPAどころではなく、そこから1年ほどRPAに触れずにいました。
そうなると、RPAの操作方法などもすべて忘れてしまい、また一からとなり失敗した経験があります。
皆さまにはそうなって欲しくないのと、導入するまでのコストや人的リソースが
水の泡とならないようにまずは失敗の原因を見ていきましょう。
せっかく導入したRPAが失敗に終わる!?
誰しもがRPAを導入する時には、成功をイメージしてプロジェクトを進めるはずです。
ただ、反面教師という言葉があるように失敗を知っているのと知らないとでは成功確率は大きく変わってきます!
こちらの図は、RPAを本格的に展開を考えている企業やトライアルに着手した企業に導入時の障壁だと感じられたところです。
このように、せっかくRPAを導入や検討をしたものの上記のような要因で断念された企業様がいるのも事実です。
なので、そのような貴重なリアルな失敗例を参考に成功へ導きましょう。
現役RPA開発者が語るRPA導入失敗に終わる6つの特徴
これらはRPAを導入して思うような効果が得られない典型的なパターンです。
ではなぜこれらが失敗するRPAの特徴となってしまうのでしょうか?
それぞれ詳細を解説していきます。
RPAの開発スキルやリソースが社内にない
こちらは多くの企業様がRPAを導入するのに一番ハードルが高いと思われている点になります。
現場レベルのITに詳しくない社員の方でも簡単にノンプログラミングでRPAが作れます!
が売りのツールですが、RPAを一度も触れたことない人がいきなり使いこなせるほど簡単ではありません。
また、基本的に本業をこなしつつRPAも作ったりしていくかと思いますので、本業に影響が出ないよう
RPA制作等へのリソースの確保と社内全体でバックアップ体制も整える必要があります。
腰を据えてRPAの導入を任せられる人材がいない中で導入を推し進めたところで失敗するのは明白です。
ツール選定を疎かにする
今や数多くのベンダーからRPAツールが出ています。
その中から自社に合うツールを見つけ出すのも至難の業です。
なので選定期間が短い中で決めてしまっては本末転倒です。
ましてや、『有名だから』『安いから』と安易な形で選定してしまっては失敗の原因となります。
インターネット上の情報だけではなく、実際にRPAを導入している企業様が身近にいるのであれば直接聞くのが一番でしょう。
無料トライアルをしない
無料トライアルをしないで、導入してしまっては確実に出鼻をくじかれます。
ツールの選定を時間をかけて、インターネット上で情報を集めしっかり周りに聞いたから大丈夫!
・・・ではありません。
実際に、RPAを開発し運用保守を行うのはあなたです。
今のRPAツールは大概無料トライアルが付いております。
せっかくツール選定を丁寧に行ったのであれば、その中から2,3個は無料トライアルを試して頂きたいです。
RPAツールによって業務の自動化が出来る出来ないの差はほぼないですが、
使い勝手や見た目は大きく違いますので確実にトライアルを経て導入しましょう。
工数の多い業務からRPAの開発進める
手作業でも長時間かかる業務から自動化しては、RPA開発が全く進まず間違いなく失敗に終わるでしょう。
せっかくRPAを導入したのだから、何時間もかかる業務からまずは自動化していこう!
とRPA担当者が勢いを出すのは非常に大事なことです。
社内にもRPAのポテンシャルを早く見せたい気持ちは非常にわかりますが
コツコツとスキルを積み上げていきましょう。
管理体制が明確じゃない
RPAは導入がゴールではありません。
RPAを導入している間は開発運用保守を行わないといけません。
大企業の場合は、導入検討段階からRPA専用の人員で部署を形成し一大プロジェクトとして進める企業もありますが
中小企業の場合はそうもいきません。
中小企業だと特に人的リソースが限られている中で、
本業と並行して社内の業務自動化・効率化を進めなければならないケースがほとんどかと思います。
1人だけではなく複数人で管理する体制を確実に整えてから導入しましょう。
自動化後の目的が曖昧
自動化後の目的まで明確になっていますか?
- ○○時間を削減する!
- ○○業務の自動化をする!
- ○○部署の業務を効率化をする!
このように業務の自動化・効率化だけが目的になっているのであれば失敗する可能性が高いです。
たしかにRPAを進める中で、通過点としての目標であれば問題ないですが
これらを最終目標にしてしまうと、【1つの業務が自動化された】ということしか残りません。
新人が入社した際も、1つの業務を教えただけ終わりではないかと思います。
RPAも同じで、従業員の生産性を上げることやコア業務に集中させるなど
RPAを導入することによって、人間にしかできない業務を創出できるので
自動化後の未来も含めて目的を設定しましょう。
現役RPA開発者が教えるRPAの導入が成功へ近づく5カ条
ここまで失敗してしまう原因を6つお伝えいたしました。
こちらを意識して進めていくだけでも失敗の確率はグンと下がります!
ただ、導入している方で当てはまってしまった場合でも気づき改善することで失敗に終わることはなくなりますのでご安心ください。
ここからは成功へと近づくために絶対に意識しないといけない5カ条について
お伝えいたします!
RPAの導入目的を明確化する
これは非常に大事です。
先述でもお伝えした3大NG目的の
- ○○時間を削減する!
- ○○業務の自動化をする!
- ○○部署の業務を効率化をする!
に重きを置いてしまうと、せっかく導入したRPAの本質がなくなってしまいます。
たしかに上記3つも大事ですが、RPAを導入する上でその目的を達成するのは当たり前なのです。
では本来の本質はというと、【コア業務に直結する時間を増やす】です。
つまりは利益につながる業務に、より集中するための環境作りの一環としてRPAという手段をつかって時間を生み出す。
ことにあると私は思っております。
なので目標はあくまでも、【自動化したことによって手が空いた時間をどのように使うか】にフォーカスして、RPAの導入段階から計画することで社内の目的意識もはっきりしスムーズに進めることができます。
ツールの選定は徹底的に行う
RPAツールはもはや自社の新たな従業員です。
もし、人材を採用する時に経歴や性格を見ずに採用しますか?
RPAは別名【デジタルレイバー(仮想知的労働者)】とも呼ばれており、今まで人がやっていた業務を変わりに行う存在です。
新人が入社した際にも教育するように、RPAにも業務をなぞって教える必要があります。
ただし、RPAは人間と違って性格はありませんので相性が合わないなどといったことはないのでご安心ください。
なのでツール選定時は採用と同じくらい自社に合うか、長く付き合っていけるかも含めて選定するのが重要です。
そのうえで、大事なポイントが4つあります。
- 無料トライアルがあるか
- 見た目や使いやすさはどうか(UIやUXと呼ばれるところ)
- サポートの充実度
- 価格
無料トライアルがあるか
まず無料トライアルがあるかどうかは非常に重要です。
もし無料トライアルがない場合はその時点で候補から除外してもいいレベルです。
期間としても2週間や1か月など様々ございますが、長ければ長いほどいいです。
またトライアル期間中はExcelから情報を抽出して基幹システムに登録するといったような
架空の業務をテストで開発をすると、トライ&エラーが気兼ねなく試せるのでベストです。
見た目や使いやすさ(UI・UX)
RPAツールによって自動化できない・できるといった差はほぼないからこそ
UIとUXは非常に大事です。
ツールによって同じ業務を開発するにも
開発方法は全く異なります。
なのでUIとUXを知るには使ってみないとわからない部分です。
時間がある限り、複数のRPAツールを無料トライアルで使い倒しましょう。
またツール開発元も無料セミナーなども多く開催しているので、積極的に参加しRPAへの理解を深めましょう。
サポート充実度
RPAを使っていく中で、どのように開発したらいいのかわからない場面は必ず出てきます。
その際にサポート体制がしっかりしているツールを選定したことで、開発スピードに雲泥の差が生まれます。
中小企業は特に時間も人的なリソースも限られた中での開発になるケースが多いので
ツールのサポートが非常に鍵となります。
無料トライアルの中でサポートのレスポンスの速さやアドバイスが的確かどうかを見ましょう。
またサポート自体も無償有償がありますので、しっかりサポート内容も見極めて選定しましょう。
価格
RPAツールには高額なものから中小企業向けの低価格なものまで現在多くあります。
RPAを導入する上でも導入コストは非常に大きなポイントです。
中小企業向けの価格帯としては、月額5万円~のRPAツールが多いです。
この月額料金とは別にサポート費用が別途発生するケースもあります。
またRPAツールの中には【開発するためだけの開発版と呼ばれるライセンス】や
【開発したロボットを実行するためだけの実行版と呼ばれるライセンス】があり、
これも別々の月額料金が発生する場合がございますので
ライセンスの契約内容も比較し、予算や契約期間も含めて価格面を慎重に見極めていきましょう。
しっかり無料トライアルは行い、使いやすさやランニングコストも加味し時間をかけてでも
徹底的に選定も行うことで成功へ近づきます。
また、あなたがどんなツールを選ぶべきかは、こちらで深くご説明していますのでご参考ください!
RPA開発時のルールを決める
どの業種にも、業務を行う上でのルールは存在すると思います。
RPAにもツール毎に操作方法などルールやマニュアルはありますが、
今回のルールというのは自社内のRPA開発におけるオリジナルルールを決めて
RPAの運用をしましょう!という意味になります。
RPAの運用開始後にロボットが止まり、エラーになってしまうケースがあります。
そのような事態が起こった場合に考えられる点としては、
RPA開発者がそれぞれの作り方で開発してしまうと、開発者以外の人間が修正できない状況に陥ることになります。
エラー時の対応が※属人化してしまい、対応が遅延し自動化業務が進められず他の業務にも影響が出ます。
※ここで言う属人化とは、RPA開発者本人しか理解できないような作りをしていることを指します。
そのようなことが続くと、RPAの必要性が薄れてしまい社内全体でRPAの信頼性も失墜してしまいます。
そうならないためにも、開発時のルールを一定することでエラー時も全員で対応が可能となります。
中小企業の場合は、担当者が1人2人と少ないからという理由でルールの制定があやふやになりがちですが、
担当者が退社するなどといった事態にすぐ対応できるように、誰でもすぐに対応できるようにルールを決めましょう。
さいごに一言、【RPA開発において個性を発揮するのは不要です。】
スモールスタートを意識する
導入したばかりの段階で、工数のかかる業務を自動化するのは絶対やめましょう。
RPAだけに関わることではないですが、スモールスタートは常識です。
人間でも複雑な業務は、RPAで開発しようとしても複雑になりハードルが非常に高いです。
数分で終わるような比較的簡単な業務の自動化を積み重ねていきましょう。
その先に大きな効率化を生み出します。
まずはコツコツ、開発スキルを伸ばしましょう。
RPAが【できること】【できないこと】を理解する
RPAは万能ではありません。
できないことももちろんあります。
できないことを一言でお伝えすると、その業務を行う上で【人間の判断が必要などうか】になります。
逆に言うと、人間の判断が必要ない業務に関してはほぼRPAで対応できると思って頂いて問題ないです。
なので、【できること】【できないこと】を理解するためには業務の洗い出しが重要です。
今回は導入前の段階での業務洗い出し方法を順を追って説明します。
- まずは自動化したいと思っている業務をすべて洗い出します。
- その業務の中で【人間の判断が必要などうか】を基準にRPAで対応できる・できないを選定します。
- 対応できないと判断した業務を1つ1つ【人間の判断が必要ない】割合を出します。
- 人間の判断が必要ない割合が50%以上あれば自動化計画に加えます。
といった流れで洗い出しをしていきます。
この中でも【4.】がポイントになりまして、場合にもよりますが
対象業務の50%が【人間の判断が必要ない場合】自動化してもいい思います。
RPAと人間の共同業務によって、より生産性の向上が期待できるからです。
また、その中から優先順位をつけてRPA開発をしていくことで成功へと近づきます。
さらに業務を自動化するまでの流れの詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
まとめ
【失敗する原因6つ】と【成功へ近づく5カ条】をお伝えさせていただきました。
失敗する原因に当てはまってしまった場合でも安心してください。
今日から修正することで成功へ近づきます。
どなたも失敗はしたくないです。
また、RPAツールというものは基本的に月額費用がかかるツールです。そのため、あらゆる情報を集めたうえで進めると思いますので問題ないかと思いますが、導入時になにか迷うことがあれば、今回の内容を思い出していただければと思います。
RPAは非常に現代にマッチしていて、使い方によっては非常に有効なツールでもありますので
皆さまのRPAライフが良いものとなることを祈っております。