近年、働き方改革や業務効率化、コスト削減の手段として「RPA」を導入する中小企業が増加しています。
今や数多くのRPAツールが存在しており、主に企業間で導入されているのは有料のRPAツールがほとんどですが、導入から運用まで完全無料のRPAツールも存在します。
そこで本記事では、無料のRPAツールのメリット・デメリット、有料ツールとの比較について解説してきます。
RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
2年前からRPA開発に携わっており、各企業のRPA開発と自社の業務効率化に従事しています。
無料RPAツールとは?
文字通り無料で使えるRPAツールのことで、基本的にはソフトをダウンロードしてすぐに使い始めることができます。もちろん支払いなどの面倒は無いので、RPAをまだ使ったことがない方や試してみたいという方におすすめです。
ただし、無料のツールですので、時間制限が設けられていたり、有料ツールのようなサポート体制が用意されていないものがほとんどです。
あくまでも「フリーソフト」という点を忘れずに導入しましょう。
有料ツールと比較すると?
無料RPAツールを導入するメリット
メリット① すぐに利用可能
基本的に無料のRPAツールはダウンロード、インストールすればすぐに使えるものがほとんどです。
メリット② 自社に合うかの判断材料になる
無料のRPAツールも種類が豊富にありますので、色々なツールを試してみて、自社に合うツールを探すことができます。
メリット③ コストを削減できる
通常の有料RPAツールには、数十〜数百万以上するようなソフトがたくさんありますが、無料RPAツールが自社の業務にマッチすれば、わざわざ高額なコストを支払わずに済みます。
無料ツールの中でも、性能面が有料ツールと大差ないものもありますので、まずは色々試してみるのがおすすめです。
無料RPAツールのデメリット
デメリット① サポート体制が十分じゃない
先述したとおり、無料のRPAツールはサポート体制が万全でなく、導入や運用中に頼れるところがない場合が非常に多いです。
また、海外のRPAツールだと日本語でのマニュアルが用意されていない場合もあるので注意が必要です。
デメリット② 機能・時間制限がある
完全無料で継続できるツールもありますが、中には機能制限がかけられている無料版や、完全版の機能を期間限定で使える、というようなツールがあります。
こういったツールは、有料版を導入する前のお試し版に過ぎないので、有料で本格導入を考えている方以外は完全無料のツールを使ったほうがいいでしょう。
デメリット③ 複雑な操作ができない
無料で使えるRPAツールは、比較的にシンプルな機能の物が多く、複数のロボットを使った大規模な運用や複雑な操作には対応していない場合があります。
RPAツールを選ぶときは、有料無料問わず、必要な機能は対応しているかを確認することが大事です。
主な無料RPAツール
1. UiPath Community Edition
「UiPath Community Edition」は、無料RPAツールの中で一番人気のあるツールです。
有料版との違いは、動作させることができるロボットの台数に制限あったり、サーバー上で管理できる範囲に制限があるくらいなので、機能面では有料版とほぼ大差なく、無料でRPAを試してみたい方にはおすすめのツールです。
ただし、無料での利用には個人利用、もしくは年間売上が500万米ドル以下の企業であるという条件があるので、そこさえクリアできれば優れたRPAツールを無料で使うことができます。
2. マクロマン
「マクロマン」 は完全無料で使える国産のRPAツールです。
完全無料となっており、特にロボットの台数制限などはありません。なので非常に導入しやすいRPAツールです。
日本語のマニュアルが用意されているので、それを参考にRPAのタスクを構築していく形になりますが、有料ツールのような複雑な操作はあまり得意ではないとされています。
ただし、転記作業などの基本的な定型業務に関しては問題なく自動化可能なので、試しに使ってみてはいかがでしょうか。
また、サポートを受けられる有料サービスも用意されています。
3.Microsoft Power Automate Desktop
「Microsoft Power Automate Desktop」は、MicroSoftが提供しているRPAツールです。
無料で使えるツールの中でも比較的人気のあるソフトで、専門知識不要で利用可能です。
無料で利用するには個人利用、もしくはMicroSoft 365のユーザーである必要があります。
機能面は有料のRPAツールとほぼ大差なく、大抵の操作であれば問題なく自動化できます。ただし、有料ツールで受けられるようなサポートや、サーバー上での管理などの機能を利用するには、有料会員へアップグレードが必要です。
なので、比較的小規模での運用であれば非常に向いているRPAツールだと言えます。
まとめ
ここまで無料RPAツールについて解説しましたがいかがでしたでしょうか?
RPAツールを選ぶ上で大切なのは、やはり有料か無料かではなく、自社の業務にどれだけマッチしているかが一番大切だと言えます。
特に、無料ツールの場合はサポート体制が不十分なことが多いため、十分なサポートを受けながらRPAを運用したいという方は有料ツールを導入したほうがいいと言えます。
ただ、もしRPAの導入を考えているのであれば、無料ツールを一度試してみて、使用感などを比べてみると本格的な導入もしやすくなるのではないでしょうか。