この記事では、スプレッドシートにおいてチェックボックスを作成する方法とその使い方について解説します。
スプレッドシートでのチェックボックスは、チェックされた箇所を色付けしたりチェックの数を数えたりといった応用も可能です。
この記事を読むことで、スプレッドシートでのチェックボックス機能が誰でも簡単に使えるようになります。
もし読んで参考になった場合はブックマークやお気に入りへ追加し、折に触れて参照してみてください。
RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
社内のエクセルマスターとしての地位を確立しており、今回その知識を最大限生かし執筆しています。
チェックボックスの作成〜使い方
チェックボックスを作成するには、チェックボックスを作成したいセルを選択した状態で【挿入】メニューより【チェックボックス】を選択します。
挿入したチェックボックスを削除するには、該当のセルを選択して【DEL】キーや【Backspace】キーなど通常のセルの内容を削除する場合と同様です。
チェックボックスは、どのような表で活用するとよいでしょうか。
例として、毎日チェックが必要な事項などを表にしたチェック表を作成してみました。
このような表でチェックボックスを活用すると、いちいちチェック欄に【済】や【○】を入力する手間も省けるうえ視覚的にチェックが可能となり便利です。
【応用】連動させてセルに色を付ける
チェック項目が多数ある場合などはチェックしたときにセルに色が付くと便利です。
このような機能をチェックリストに実装するには、【条件付き書式】を利用します。
チェックボックスを挿入したセルを選択し、【表示形式】から【条件付き書式】を選択します。
条件付き書式のルール設定の画面が現れたら、以下のように記入します。
- 【範囲に適用】の箇所は、チェックボックスのあるセル
- 【セルの書式設定の条件】は、【次と等しい】を選択
- 下の入力ボックスに【true】を記入する
この書式設定の意味は、【C4のセルにチェックが入っている(true)とき、書式設定のスタイルにあるようにセルに色付けをする】ということになります。
この状態で設定を完了し、チェックを入れてみます。
チェックを入れたセルが着色され、チェック済みの項目がわかりやすくなりました。
また、チェックを付けた場合にセルだけではなく指定した範囲に色を付けることもできます。
このような場合は条件付き書式の設定ルールを若干変更します。
- 【範囲に適用】の箇所は、チェックボックスを含む行の任意の範囲
- 【セルの書式設定の条件】は、【カスタム書式】を選択
- 下の入力ボックスに【=$C4=true】を記入する。
この書式設定の意味は、【C4($は絶対参照という意味なので省略しない)のセルにチェックが入っているとき(true)、指定範囲(A4:C4)を指定スタイルで色付けする】ということになります。
これを完了すると、上記の図のように指定した範囲すべてが着色されました。
このようなセルの色付けを利用するケースとしては、以下のような利用シーンが考えられます。
- 日次チェック表など、漏れがないかを定期的にかつ素早くチェックしたいチェック表
- 工程表・順序立てて作られたチェック表など、【すべてにチェックが入っている】ことを視覚的に明らかにしたい表
【応用】チェックの数をカウントする
先の項目で触れたように、スプレッドシートでチェックボックスを利用するにあたって【チェックが入っている】という状態は【true】と表現されます。
これを応用することで、チェックの数をカウントすることができます。
このような機能は、【COUNTIF関数】を利用します。
先ほどの表に、「チェック数」の項目を追加しました。このセルに関数を挿入します。
式は、以下のように組み立てます。
【=COUNTIF(C:C,true)】
式の意味は簡単で、【C列の中にTRUEはいくつあるか数える】という意味になります。
この関数を確定させた状態で、半分だけチェックを入れてみましょう。
このようなチェック数のカウントを入れるケースとしては、以下のような場合が考えられます。
- チェックを厳密に行わなければならず、安全検査・点検項目などの確実なカウントが必要となる表
- チェックの数量により完成度や達成度などを判定する成績表など
【応用】別シートのチェックボックスと連動
チェックボックスは、他のシートを参照させてチェックを連動させることができます。
たとえば以下のような表を想定しましょう。
これはある企業のスタッフ研修の受講進捗を管理するシートです。
各スタッフはそれぞれ異なる研修を受けているため、スタッフ一人ずつに研修の進捗を記入するシートを配布しました。
そこにスタッフがチェックを入れたときに、管理用のこの表にも自動でチェックを入れるようにすることができます。
これを行う方法は、【完了チェック】のセルに以下のように記入します。
【='[研修進捗]田中’!B5】
該当の別シートの特定のセルを参照させるようにしました。
ただしこの状態ですと、値をそのまま反映するため【TRUE】や【FALSE】といった表示になってしまいます。
ここで【挿入】→【チェックボックス】と操作をすることで、自動で田中さんの記入したシートのチェックボックスの内容をこのシートに反映することができるようになります。
このような別シートとのチェックボックスの連動を使うケースとしては、以下のような場合が考えられます。
- 各担当者ごとにチェックを行う項目があるチェック表で、集約する管理表を作りたい
- 報告フォームやメールなどを併用する時間的ロスを削減したい
【応用】連動して自動でチェックをつける
チェックボックスはクリックするだけでオンとオフが視覚的にわかりやすいのですが、たとえば担当者名を別途記入する必要がある場合などは二回の操作が必要になるためやや面倒です。
このようなケースでは、特定のセルになにかが入力された場合、自動でチェックボックスにチェックを付けるようにすることも可能です。
単純な例として、上記のような清掃チェックシートがあるものと仮定しましょう。
この表の場合、担当者は【担当者】の項目に名前を記入して【チェック】をクリックするという2回の操作が必要となります。
しかし、関数を使うことで【とにかく誰かが担当してくれたのであれば完了扱いにしてよい】という表にすることもできます。
そのような場合には、まず以下のIF関数を入力してからチェックボックスを挿入します。
そのうえで「担当者」の項目に担当者の名前を記入します。
このように表を組み立てると、画像の注釈にもありますが担当者の項目に何らかの文字列や値が入ってさえいればチェックボックスは【TRUE】の状態になります。
より入力項目が多い表の場合などには、工数の削減を行う手段のひとつとなります。
連動した自動チェックを使うケースとしては、以下のような場合が考えられます。
- 担当者の縛りはないが、必ず毎日行わなければならない業務のチェック表
- 入力工数をかけたくない単純な完了/未完了の表
【便利機能】一括チェック / 一括チェック外し
過去分のチェックシートなどで一括でチェックをつけてしまいたい、またはシートを新しくしたいのでまとめてチェックを外したいという場面もあるでしょう。
このような場合、チェックボックスというものが実は何を表しているのかを考えると簡単に一括処理が可能です。
チェックボックスは、見た目こそ四角のボタンですが、実は【TRUE】か【FALSE】という値です。
つまり【TRUE】を一括で【FALSE】に置き換えることができればすべてのチェックボックスはチェックがされていない状態に戻すことができますし、逆も可能です。
このような場合は、チェックボックスがある範囲を選択したうえで【編集】→【検索と置換】という機能を使います。
上記の操作を行うと、【検索と置換】の検索窓が現れます。
この画面の見方は【①のボックスにある文字を検索し、②にある文字へ置き換える】という意味になります。
今回は、【チェックが入っていない(=FALSE)ボックスをチェック済み(=TRUE)にしたい】という状況です。
そのため、次のように入力し【すべて置換】を押下します。
そうすると、以下のように【チェックボックスが入っていない】状態のセルが【チェックボックスが入っている】状態に置換されたことがわかります。
まとめ
チェックボックスを使うことで、チェック表などでわざわざ【済】や【○】といった入力を行うことなく完了/未完了を見分けることができるようになります。
スプレッドシートを使い慣れている人であればセルに文字列を入力することはそれほど苦ではないかもしれません。
しかし、スタッフごとに習熟度に差がある社内での利用などの場合にはチェックボックスのほうが馴染みやすいケースも多いでしょう。
チェック表を使ったり事務作業でスプレッドシートを使うシーンが多いご担当者の方は、ぜひ忘れないようこの記事をブックマーク・お気に入りなどに追加し、折りに触れて参照してみてください。
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