スプレッドシートで表を使う際に、関係のあるデータだけを抽出するのが【フィルタ機能】です。
フィルタ機能はたとえば特定の部署だけを絞り込んで表示させたい、特定の属性が入力されている部分だけを抽出したいといったシーンで非常に便利です。
具体的には、社員一覧の表の中から「総務部」の社員だけを絞り込んで表示させたり、採用形態が【非常勤】【アルバイト】の社員だけを抽出したいといったケースで活用できます。
RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
社内のエクセルマスターとしての地位を確立しており、今回その知識を最大限生かし執筆しています。
フィルタの使い方
フィルタを使う場合には、フィルタの先頭となる行を決めます。
上記画像のようなケースでは、所属部や所属課などがフィルタの【見出し】となっているためここが先頭行と考えてよいでしょう。
先頭行を選択した状態で、【データ】→【フィルタを作成】と選択します。
フィルタの使い方
- フィルタを適用したいデータの先頭行を選択する
- 【データ】から【フィルタを作成】を選択する
フィルタを解除する
一度作成したフィルタを解除する場合は、フィルタを作成した際と同様の手順で削除できます。
フィルタを解除する
- フィルタを適用したいデータの先頭行を選択する
- 【データ】から【フィルタを削除】を選択する
フィルタの範囲指定
行を選択してフィルタを作成するのが最も手早いですが、その場合適用する必要のない列にまでフィルタが適用されます。
機能的には問題ありませんが、見栄え上好ましくない場合もあるでしょう。
このような場合は、あらかじめフィルタを適用する範囲を選択してから【フィルタを作成】のボタンを押すことで範囲を指定することができます。
範囲を変更する
一度作成したフィルタの範囲を変更したい場合もあるでしょう。
この場合は先に解説した方法で一度フィルタを削除してから、再度範囲指定をしてフィルタを適用します。
自分だけのフィルタ作成
フィルタ機能は便利ですが、シートそのものにフィルタを適用することができない場合があります。
代表的な例としては、複数人で共同利用しているスプレッドシートである場合です。
また取引先などから共有されたシートであれば、なおのことフィルタの適用を巡ってのやりとりが発生するなど煩雑な面があります。
このようなときには、【自分だけのフィルタ】を作成することで他の作業者に影響なくフィルタ機能を利用することができます。
【自分だけのフィルタ】の作成手順
- 【データ】→【フィルタ表示】→【新しいフィルタ表示を作成】
- 表の上部に表示された【範囲】を手動で変更する
- 作業終了後、表右上の【✕】でフィルタ表示を終了する
なお、この【自分だけのフィルタ】の適用を終えたい場合には表右上の【✕】ボタンを押すことでフィルタ表示を終了することができます。
複数の条件でフィルタ
フィルタを適用する際に、複数の条件でフィルタをかけたい場合があるでしょう。
例として、以下の条件を満たす社員だけを抽出したいというシーンを想定します。
- 【総務部】に所属する社員
- 【勤続年数】が3年以上
このような場合、フィルタを【値】と【条件】という2つの基準で絞り込みます。
まずC列【所属部】のフィルタでは、【総務部】の値でフィルタを適用します。
一度フィルタを【クリア】してから、【総務部】を選択します。
次にE列【勤続年数】のフィルタでは、【条件でフィルタ】を選択します。
今回は3年以上の勤続年数を持つ社員を抽出したいため、条件の欄で【以上】を選択します。
【値または数式】の欄に【3】を入力し、【OK】でフィルタの適用が完了します。
フィルタがかからない?チェックポイント
フィルタがうまくかからないという場合には、フィルタの設定が正確でない可能性があります。
フィルタの作成の際に間違えやすいポイント、チェックすべきポイントを解説します。
データのない場所でフィルタをかけている
フィルタは、フィルタを設定したセル以下の項目を選択肢として表示します。
だからこそフィルタを作成する際には先頭行に指定するのです。
フィルタに選択肢の項目が出てこないという場合には、フィルタを作成したセル以下にデータがない可能性が考えられます。
一度フィルタを削除し、あらためて正しい範囲を指定してフィルタを作成しましょう。
すでにフィルタをかけているため表示が少ない
フィルタが適用されているとき、フィルタの先頭行にはそれを示すマークが表示されています。
これを見落としている場合、すでに他のフィルタが適用になったうえで別のフィルタを適用しようとしているということになります。
このような場合、本来出てくるはずのデータが表示されなくなる可能性があります。
フィルタをかける前に、他の列でフィルタがかかっていないかを目視で確認するのがオススメです。
まとめ
スプレッドシートの表は、ただデータが打ち込まれていればよいというものではありません。
必要に応じてそのとき最も必要なデータが迅速に閲覧・編集できることがスプレッドシートの強みです。
これを実現するためには、フィルタ機能の活用が欠かせません。
フィルタの作成・削除の方法や複数フィルタの活用方法については、ぜひこの記事をブックマークして復習してみてください。