Googleスプレッドシートはいまや多くの企業が業務効率化を図り使用しているツールです。
扱えるようになると管理職としての仕事がとても楽になり、スタッフにも仕事に取り組みやすい環境を整えることができます。
現在、必須ツールともいえるGoogleスプレッドシートの基本的な使い方をここでは解説していきます。
RPA開発歴4年 / MICHIRU RPAエキスパート認定 / 業務改善アドバイザー
RPA導入代行サービスCoreBeeを運営しており、RPA開発に取り組む他、業務改善アドバイザーとしてあらゆる業種の業務改善に携わっている。
社内のエクセルマスターとしての地位を確立しており、今回その知識を最大限生かし執筆しています。
Googleスプレッドシートとは
Googleスプレッドシートとは、Googleが提供しているプログラムのひとつです。
ウェブ上でエクセルのファイル形式と類似したプログラムを利用することができ、表計算・関数などの機能を利用することができます。
スプレッドシートのとても便利な機能として、以下の4点が挙げられます!
- エクセルと同様の【表の作成・保存】
- 関数を利用した計算
- 条件付き書式を用いた表の作成
- 複数人での同じシートへアクセス、共同閲覧・作業
表を使ったデータの整理については、たとえば成績表や時間・金額の管理表などはエクセルを利用するというイメージが一般的です。
また、エクセルの表はただ数字を打ち込むだけではなく、関数を使って効率的に計算をしたり色付けをすることで視覚的にもわかりやすいように作るものです。
このような処理はGoogleスプレッドシートでも同様の処理を行えるケースがほとんどです。
さらにスプレッドシートならではのメリットとして、オンラインで複数人での共同作業や閲覧という機能もあります。
スプレッドシートはウェブブラウザで利用するため、エクセルがインストールされていないPCで表計算や関数を使った計算を行いたいときにGoogleスプレッドシートで代替することも可能です。
エクセルとの違いとは?
エクセルは表計算を行うプログラムをPCにインストールして利用します。
一方、GoogleスプレッドシートはWebブラウザ上で利用するためインストールなどは不要です。
複数人で同じシートへアクセスし共同閲覧や作業が可能である点はGoogleスプレッドシート独自の機能といってよいでしょう。
ただし、エクセルの機能がすべてスプレッドシートで同じように使えるわけではありません。
一部対応していない関数があるほか、マクロ機能を利用する際はエクセルとは異なる手順が必要になります。
使い方【表の作成】
スプレッドシートにおいて、【文字入力・計算】や【文字色・背景色を変更する】などの操作はエクセルととても似ています。
セルに文字や数字を入力し、入力した数字を計算式で計算するというのがGoogleスプレッドシートの基本的な機能です。
エクセルを使用した経験があれば違和感なくGoogleスプレッドシートを利用することができるでしょう。
画像では基本的な文字入力や背景色・文字色変更について図示しました。
他にもスプレッドシートを運用していく上で便利な機能がたくさんありますので、下記の記事をご参考ください。
使い方【保存・アップロード】
Googleスプレッドシートのファイルの保存については、エクセルとは異なります。
エクセルのように毎回作業後に「名前を付けて保存」や「上書き保存」といった操作をする必要は一切ないのです。
GoogleスプレッドシートはGoogleアカウント上に作成され、オンラインの状態であれば自動的に利用しているGoogleアカウントのGoogleドライブ上に保存されます。
保存などの操作を一切せずにそのまま閉じても最後に編集した状態まで自動的に保存されており、再度同じファイルを開けばその状態から作業を続行できるのです。
すでにあるエクセルファイルをアップロードして、Googleスプレッドシート上で利用することも可能です。
このような場合は「ファイル」から「インポート」を選択します。
今回は、エクセルで作成した社内の物品管理表をスプレッドシートにインポートしてみます。
エクセルでは上のような表になっています。
インポートを選択すると、ファイルをインポートするための画面が表示されます。
今回は、PCに保存されているエクセルファイルをインポートするため【アップロード】から該当のファイルを選択してインポートします。
インポート画面が変わり、インポートしたファイルをどのようにスプレッドシートに適用するかの選択ができます。
【スプレッドシートを新規作成する】の場合は、インポートしたエクセルファイルで新しいスプレッドシートを作ることになります。
【新しいシートを挿入する】の場合は、今開いているスプレッドシートのファイルの中にインポートしたエクセルファイルを新しいシートとして挿入することになります。
今回は、【新しいシートを挿入する】の操作を行ってみましょう。
【テーマをインポートする】という項目についてはすでに使用しているテンプレートなどのテーマに合わせたいという場面に利用しますが、あまり利用頻度は高くないため今回はチェックを外しています。
この状態で、【データをインポート】のボタンをクリックします。
そうすると、【Sheet1】という新しいシートが追加されました。
これはインポート操作の際に【新しいシートを挿入する】を選択したためです。
そして、スプレッドシートに挿入された表を見てみると上の図のようになります。
エクセルで作成した表とほとんど変わりがないことがわかります。
セルの色付けや書式設定などは、スプレッドシート側で実現できる範囲でエクセルの元ファイルに近づけた形でインポートされます。
関数などを使用していた場合も基本的にエクセルに記載したとおりのものが引き継がれます。
ただし、一部エクセルにのみ対応している関数などもあるためインポート後は念のため表を一度チェックしておくとミスやエラーを防ぐことができます。
使い方【共有と共同作業】
Googleスプレッドシートは基本的にオンラインでの利用が想定されているという性質上、複数人での同時作業やファイルの共有という機能が利用できます。
複数人が同じ表に書き込んでデータを作る共同作業などの場面で便利に利用できます。
たとえば、以下のようなケースではエクセルファイルを個別に作成・送信して処理するよりも非常に効率的に運用ができます。
- 複数の担当者がいる管理部門などで、社内から同時に問い合わせを受け管理表などを編集する
- 本社で一括管理している営業成績を、各拠点の営業担当者が同時に同じ成績・実績表に書き込む
- 有給休暇やシフトなど、同部署の複数人の同僚と調整しながら情報を記載して表を作成する
共有方法
複数人でファイルを共有したり共同で同じファイルを利用するためには、【共有】というボタンから行います。
【共有】ボタンを押した後に表示される画面で、指定したGoogleアカウントを利用しているユーザーがファイルを閲覧したり編集したりする権限を付与することができます。
また【リンクを取得】の項目からは、Googleアカウントでの指定ではなく【URLさえ知っていれば利用できる】という権限を付けることも可能です。
ファイルの【オーナー(※管理者)】を変更する場合は、【共有】ボタンから共有済みのユーザーの横にある下向きの矢印をクリックするとメニューが表示されます。
共同作業方法【コメント・元の状態へ戻す】
共同作業を行ううえで、他の作業者にわかりやすいように【コメント】を残すことができます。
これはセルそのものに文字を入力するわけではないので、表計算の邪魔にならずに該当箇所にコメントを残すことができる便利な機能です。
コメント機能を利用するには、コメントを残したいセルで右クリックして【コメント】をクリックするとコメント入力ボックスが現れます。
また、複数人で共同作業をしていると入力の誤りなどによって過去の状態に戻したいというケースもあるでしょう。
このような場合は、【変更履歴】から過去の履歴を追うことができます。
【変更履歴】を利用するには、【ファイル】から【変更履歴】【変更履歴を表示】に進みます。
画面右側に【変更履歴】の項目が表示されます。
この項目では日付・時間・編集したユーザー名が表示されます。
戻したい時点の日付をクリックして【この版を復元】をクリックすると、その時点に復元することができます。
使い方【書き出し】
Googleスプレッドシートで作成・編集したファイルを、エクセルファイルとして保存したい場合もあるでしょう。
そのような場合は、【ファイル】→【ダウンロード】から【Microsoft Excel】を選択します。
【.xlsx】形式などの形式でローカル環境へ保存することができます。
スプレッドシートが編集できない場合!
スプレッドシートが編集できない場合には、大きく分けて2つの原因が考えられます。
以下の2つのパターンをチェックしましょう。
編集権限がない
編集権限がない場合は編集できません。
自分のアカウントが編集権限を持っていない場合、シートに【閲覧のみ】という表示があります。
このように編集権限を持っていない場合には、【閲覧のみ】の表示にある下向き三角形のボタンから【編集権限をリクエスト】をクリックして編集権限をもらう必要があります。
シートが保護されている
自分のアカウントが編集権限を持っているのにシートが編集できない場合には、シートが【保護】されているケースが考えられます。
シートが保護されている場合には、シート名に鍵のマークが表示されています。
このような場合は、ファイルのオーナーに連絡してシートの保護を解除してもらう必要があります。
スマホで利用する方法
GoogleスプレッドシートはAndroid・iOS双方でアプリ版が公開されており、スマホでも利用することができます。
基本的な文字・数字の入力やデータの検索、ダウンロードなどの機能はPCのウェブブラウザと同等に使用することができます。
外出先などでPCを見ることができない場面であっても、Googleスプレッドシートを参照したり簡単な編集作業も行うことができるのがメリットといえます。
一方、一部の高度な機能についてはスマホアプリ版では対応していないものがあります。
条件を設定してセルに着色を施したりする【条件付き書式】や、セルの入力内容を制限する【入力規則】などはスマホアプリ版からでは利用できません。
膨大なデータエリアから値を抽出して表などを作る【ピボットテーブル】も比較的利用頻度が高い機能ですが、これもスマホアプリ版では対応していないため、注意が必要です。
スプレッドシートで関数を使って本格的な表計算をする
エクセルでは利用頻度が高く企業でも重要度の高い【関数】の機能ですが、これもGoogleスプレッドシートで利用可能です。
エクセルで利用される主要な関数のほとんどを同じように使えるため、使い勝手では決してエクセルに負けない本格的な表計算ツールとして利用できます。
スプレッドシートの使い方完全ガイドまとめ
Googleスプレッドシートは、エクセルと同様に表計算や関数といった集計業務・表管理業務で活躍します。
手作業での計算に比べ圧倒的にスピーディで、かつ正確な計算が可能である点はエクセルと同様のメリットがあると考えてよいでしょう。
さらにGoogleスプレッドシートでは、複数人での同時閲覧・共同作業を行う機能が簡単に利用できるということも大きなメリットです。
複数の担当者で同じ表を利用する場合などに大いに活躍することでしょう。