DX推進エキスパート
ITツールの導入・運用から経営戦略の立案まで、幅広い専門知識と経験をもってあらゆるDX化に従事しています。
DXを絶対に推進すべき業種
DXとは【Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)】を省略した言葉です。直訳をすると【デジタルへの変革】という意味になります。
また、経済産業省によるDXの定義によると【企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること】とされております。
つまり、企業においては【デジタル技術を取り入れ、これまでの事業に変革を起こし、生産性の向上や市場競争力を強化して、さらに収益を増加させるための取り組み】と理解するとわかりやすいのではないでしょうか。
ただ、まずはDXを進めるべき業種に自社が当てはまるのかを知りたい方も多いのではないでしょうか。
そこで絶対にDXを推進するべき業種をピックアップしていきたいと思います。
- 自治体(北海道札幌市)
- 製造業(トヨタ自動車株式会社)
- 不動産(三井不動産株式会社)
- コールセンター(トランスコスモス株式会社)
- 店舗(株式会社ファーストリテイリング)
- 事務(株式会社マネーフォワード)
今回ピックアップした業種はいずれも、デジタル技術の導入が比較的遅れている業種でもあります。
なので、デジタル技術を取り入れることで大幅にDXを推進することが期待できます。
さらには、これらの業種はDXの推進との相性が非常にいい業種になります。
例えば、不動産業界に関しては、今までは物件の内覧は直接物件にお客様と一緒に内覧を行うのが一般的でしたが、最近ではオンラインで内覧しオンライン上で契約まで締結できるようになっています。
こういった形でDXを推進することで、従業員も業務が簡潔になり物件の魅力等をより伝えられるようになります。
また、お客様側としても自宅ですべて完結でき、煩わしさがなくなり契約への後押しとなります。
このように、DXによってお互いが【Win-Winな関係性】になりますので、DXを推進していくことは非常に重要となります。
【業種別】DXの成功事例一覧
DXを推進すべき業種が上記でご理解いただけたかと思います。
ただ実際にどんな業務等をDXしているか気になりますよね!
それぞれの業種の事例をご紹介します!必見です!
自治体【北海道札幌市】の場合
我が社が拠点としている市になります。
札幌市役所には【デジタル戦略推進局スマートシティ推進部】なる【DX】や【スマートシティ】を推進する部署が存在しております。この部署は札幌市のマイナンバーカードの普及促進及び利活用に関すること、戸籍及び住民記録業務等の連絡調整に関すること、基幹系・総合行政システムの開発及び管理・運用に関すること、情報セキュリティ対策等に関する仕事をしている部署です。
今回はその部署での例をご紹介します。
DX背景
多種多様な働き方の定着を目指し、2021年から在宅勤務や時差出勤といった新しい働き方を導入しました。
また、新型コロナ感染症の拡大に伴い在宅勤務をする人が増え、外部の企業や自治体等とのリモート会議の機会が増加しました。その結果、現在のビデオ会議の体制ではあらゆる課題が浮き彫りになり対応が必須となりました。
DX前の課題
- インターネット接続用のPCにモニターやカメラ・マイクを接続するセットアップの時間がかかる。
- 会議中に音声が途切れる、聞こえない現象が多くある。
解決策
【Neat Frame】というデバイスを導入。
DX後の効果
- モニター1つでビデオ会議が可能となりセットアップ時間が大幅に短縮できた。
- モニターが独立しているので、音声もPCのスペックに依存することなくクリアに聞こえるようになった。
- ノイズキャンセリング機能も備わっており、周囲の音が気になるような場所でもクリアに伝えることができるようになった。
製造業【トヨタ自動車株式会社】の場合
世界のトヨタです。
そんなトヨタにももちろん課題がありデジタル技術を持って解決に導いた事例があります。
DX背景
3D CADデータや試作段階での特性データといった個別の情報のデジタル化により、技術開発や生産準備で成果を上げていました。
ただ、製造過程や顧客から得られたデータをリアルタイムで技術開発へフィードバックすることに課題を抱えており、欧州やベンチャー企業に車両ビックデータの活用分野にて遅れをとってしまっていることに対して大いに危機感を抱いていた。
DX前の課題
- 製造過程や顧客から得たデータをリアルタイムに技術開発へフィードバックすること。
解決策
部署間の情報を迅速に共有するための、プラットフォームを構築し工場IoTを推進。
DX後の効果
- 各事業部や工場にて構築したプラットフォームを活用することで費用対効果を改善。
- 構築したプラットフォームをエンジニアリングチェーンやサプライチェーンにも拡大し、【開発】【市場】【工場】の連携のための情報基盤の整備に発展。
不動産【三井不動産株式会社】の場合
不動産業界売上高ランキングでも堂々の1位を獲得している不動産大手の三井不動産株式会社です。
不動産業界は今もFAXでのやりとりが横行していたりとアナログな業界でもあります。そんな業界1位の企業が2020年に【テクノロジーを活用し、不動産業界そのものをイノベーション】の実現に向け三井不動産株式会社のDX進捗状況を【2020 DX白書】として公開しております。DXの推進を積極的に行っていく意思とも取れる企業の事例を紹介させていただきます。
DX背景
分譲マンション、戸建て住宅購入における全書類・諸手続きを電子化する。
DX前の課題
- 契約から購入までの間に、お客様には様々な手続きのために何度も足を運んでいただくことや、大量な署名捺印など負担が多くかかっていた。
- 従業員は契約関連の膨大な書類の管理が必要だった。
- 年間360万枚もの大量の紙が必要だった。
解決策
ご契約者様専用の【レジデンシャルLiFE】の構築。
DX後の効果
- お客様の利便性の向上。
- 従業員の業務効率向上・多様な働き方の実現。
- ペーパーレス化による環境負荷軽減。
コールセンター【トランスコスモス株式会社】の場合
続いても、業界最大手の呼び声高いトランスコスモス株式会社です。
トランスコスモス株式会社は経済産業省が定める【DX認定事業者】に選定されています。
※DX認定制度とは、【情報処理の促進に関する法律】に基づき、経済産業省が定めたデジタルガバナンス・コードに則り、DX実現に向けたビジョンの策定や戦略・体制の整備などDX推進の準備が整っている企業を認定する制度です。
DX認定事業者はDXをどのように取り組んでいるのか紹介させていただきます。
DX背景
顧客ロイヤリティを向上させるための問い合わせ導線/応対方法の改善をしたい。
※顧客ロイヤリティとは、顧客があるブランドや商品、またはサービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを指す。
DX導入前の課題
- カスタマーサポートで対応する「顧客の不満や不便」を解消し、顧客の感情をマイナスからプラスへ変えたい。
- サイトでの利便性を向上させたい。
解決策
AIチャットボットの導入、改善。カスタマーサポートへ届くお客様の声を収集・分析し活用。
DX後の効果
- 問い合わせの全体30%をAIチャットボットで解決できるようになり、カスタマーセンターの入電ピーク抑制を実現。
- 収集したお客様の声の不満体験を元に業務フローを見直し、顧客ロイヤリティを向上を実現。
店舗【株式会社ファーストリテイリング】の場合
大手ファッションブランドのユニクロを有する株式会社ファーストリテイリングです。ユニクロは知らない人も少ない世界に誇るファストファッションブランドです。
世界に多くの店舗を持っているので、DXは不可欠です。
そんなユニクロで最近買い物をした方であればわかるような事例を紹介させていただきます。
DX背景
1日に多くのお客様が来店される中で、会計時の長蛇の列は大きなストレスになるので軽減し購買意欲を向上させたい。
DX前の課題
- レジに長蛇の列が発生し、会計に時間がかかる。
- レジに人員をかけてしまうことでフロアの店員が少なくなり顧客の不満が溜まってしまう。
- 人件費の削減と人手不足の解消。
解決策
RFID(無線自動識別)のデジタル技術を用いたセルフレジの導入。
DX後の効果
- レジに待機する人員を減少させることができた。
- 会計時間の緩和。
- フロアに人数を割くことができ、接客に集中できる環境にすることができた。
事務【株式会社マネーフォワード】の場合
事務は広いワードになりますが、どの企業にも欠かせない部署にはなります。
経理や事務の業務はDXを推進していく必要があります。人によるミスも起こりやすく定型的な作業も多いからです。
そんなバックオフィス業務でDXを実現した株式会社マネーフォワードの事例を紹介させていただきます。
DX背景
経理部門は組織のキャッシュフローを管理し、見える化する重要な役割を担っている。正確で迅速な業務の遂行が、健全な会社経営に直結するので、DXを推進することで経営スピードを向上させたい。
DX前の課題
- 紙ベースでの業務が多い。
- 経営に直結する重要な情報を扱うことが多い。
解決策
自社のクラウド会計ソフト【マネーフォワードクラウド会計】への移行。
DX後の効果
- ペーパーレス化とデータのセキュアな管理を実現。
- 監査対応の業務もクラウドベースに移行することができ、必要な資料のほとんどをオンラインで提出できるようになった。
- クラウド会計に一本化することで、経営状況を速やかに把握できるようになり、決算締め作業の早期化につながった。
中小企業のDX事例について
各業種で日本トップクラス企業のDX事例でしたが、DXにはそれなりのコストがかかります。
DXは大企業じゃないと取り組めないのかというと、もちろんそうではないです。
また、日本の企業の99.7%は中小企業と言われています。
そんな日本の経済を支えている中小企業には中小企業のやり方でDXを推進していく必要があります。
また、経済産業省が【中堅・中小企業向けにDXの必要性と可能性】を次のように提唱しております。
【デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルを展開する新規参入者により、町の商店や本屋、レコード屋等の生活に身近な商売においてもビジネス環境は大きく変化】
⇒一昔まではCDを購入していたが、現在はAppleMusic等の音楽ストリーミングサービスの台頭により、CDショップが激減。
【中小企業は経営者の判断で新たな取り組みを行いやすく、インターネットを活用した遠隔地域の顧客へのアプローチ等、チャンスも広がっている】
⇒ECによってさまざまな顧客層へアプローチが可能に。
※今では大企業以上に、中小企業のほうが国内外の販売で電子商取引(EC)を活用(2021年度の日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(JETRO))
上記の通り、今後中小企業が生き残っていくためには中小企業なりのDXが不可欠化です。
そのためには【経営者の判断】が重要になります。中小企業は規模が大きくないからこそ経営者の判断がが大きく左右します。
そこで今回は中小企業のDX例をご紹介させていただきます。
有限会社ゑびや
従来は、単価は800円で某グルメサイト評価は2.86で会計はそろばんだった飲食店だったものを、経営者が率先して経営改革に乗り出す。社長自らがPC1台で【勘と経験】に頼った商売から脱却するためにデータ収集を行い、今ではAIによる来客数予測などのツールを開発するまでに至る。
また他の事業者支援にも取り組みDX推進に貢献している。
取り組み内容
老舗飲食店が、事業承継をきっかけに1台のPCに手作業で天気や売上等のデータを入力するところから地道にデータ活用の取り組みを行った。
効果
7年間かけてAIによる来客数予測ツールを開発する等の取組により、【世界一IT化された食堂】として生まれ変わり、客単価3.5倍、売上5倍、利益50倍に増加することができた。
マツモトプレシジョン株式会社
社長は就任時から従業員が懸命に働いているにも関わらず、収益が上がらず賃金を上げることができていない背景があった。
そのためにも、生産性向上と経営改善の必要性を感じ続けていたが、講演会でDXに触れ、変革を進めることを決断。
取り組み内容
従業員の可処分所得向上を目指して、地域の産学官連携で開発したシステムプラットフォームであるCMEsを導入し、システムに自社の業務をあわせる形でDX推進に取り組んでいる。
※CMEs(Connected Manufacturing Enterprises)とは、中小企業が非競争領域の共通業務について、低コストで高品質なシステムを利用できるよう開発された共通業務システムプラットフォーム
効果
5~10年後に従業員の可処分所得を3%向上を目指し、そのために生産性を130%に高めることを目指している。
株式会社ヒサノ
業務の属人化やブラックボックス化に課題意識はありつつも、ベンダーの横文字言葉がなかなか理解出来なかった社長だったが、属人化やブラックボックス化等、自社の業務に対する漠然とした課題感があり、DXに取り組むことを決意。
取り組み内容
IT経営の専門家であるITコーディネータとの対話を通じて経営ビジョン明確化し、業務を最適化。
効果
運送の配車や人員配置の管理を従来【横便箋】と呼ばれる紙冊子のみで管理していた。これが相当のノウハウが必要なため属人化していたが【横便箋システム】として誰もがどこからでも配車や人員配置の状況を確認できるクラウドサービスに再構築した。
また、各業務システムとデータ連携し、会社全体で業務最適化。
解説
この3社に共通しているのは、経営者の判断が影響している点です。
経営者が率先してDXに積極的になり、5年10年後のビジョンも従業員と協力することでDXを実現・推進しています。
3社ともここまで大変な苦労等もあったかと思いますがしっかりとした意思を持ってDXに取り組まれていることがわかります。
まとめ
大企業から中小企業までのDX事例をご紹介させていただきました。
大企業のDX事例に関しては、読んでいただいたらわかる通り、AIやアプリ開発といった大規模な形で費用を投入し大幅な効果を発揮しています。そのようなやり方を中小企業が真似をするのは至難の業です。なので中小企業には中小企業のやり方で経営陣が率先してスモールスタートでスピード感を持ってDXを試みていくことが大事かと思います。
また、【DX化とIT化は全く違う】という記事も見ますが、わたくしが考える中小企業にとってのDXは【IT化も兼ねる】という意味でも十分問題ないと思っています。
デジタル技術を導入するだけでは、DXといえないと言っていては始まるものも始まりません。
まずはデジタル技術を活用し、事業に変化を起こすことは非常に重要だと思います。
そんな中小企業のDXのきっかけとして【RPA】の活用は非常に適しています。
なぜなら普段、従業員の方が手作業で行っている業務が、勝手に自動で終わっているという体験を肌で感じることができるので社内で効果を実感しやすいという点があります。
ただし、RPAの導入までには多くの時間やコストがかかりDX化まで時間がかかってしまうケースがあります。
スムーズにDXを体験するために、Corebee(コアビー)を選択肢に入れるのはいかがでしょうか?
CoreBee(コアビー)とは、RPAの導入から運用まで全て一貫して提供するワンストップ型のRPAサービスです。本来ですと、RPAを実際に動かすまでに、「ツール導入→ロボット構築→運用・保守」といった作業が必要になります。
そこで、CoreBee(コアビー)を使えば、RPA運用にかけるリソースがなくてもスムーズにRPAを導入いただけます。
詳しくは下記ボタンより公式サイトをチェックしてみてください。
CoreBee(コアビー)公式サイトを見る