2019年4月より「働き方改革関連法」が順次施行され、企業間では労働環境の改善、業務効率化、DX推進の動きが強まってきています。
働き方改革についてはコチラの記事で解説しています↓
業務を効率化する為にRPAを導入したり、IT技術を使って新たな事業を展開したり、企業ごとに様々な取り組みが必要とされていますが、やはり新たなシステムの導入をしたりするのにはコストが発生します。
その為、企業がもっと働き方改革を推進しやすくする為の助成金が設けられており、助成金をうまく活用することで、新たなシステムの導入コストを低減させることができます。
助成金は以下3つが用意されています。
- 働き方改革推進支援助成金
- キャリアアップ助成金
- 業務改善助成金
の3種類の助成金が設けられております。
本記事では、「業務改善助成金」について、コースごとに解説します。
「働き方改革推進支援助成金」についてはコチラ↓
「キャリアアップ助成金」についてはコチラ↓
業務改善助成金とは?
「業務改善助成金」とは、従業員の賃金を引き上げる努力をする中小企業・小規模事業者を支援するために用意されている助成金の制度です。
事業者がコンサルティングの導入や人材育成などの設備投資をし、生産性を向上させ、最低賃金の引き上げを行った場合にかかった費用の一部を、国に助成してもらえる制度となっております。
申請の締切は2022年1月31日までとなっており、期限が過ぎた場合は受付してもらえませんので注意が必要です。
受給するための条件
対象となる事業場の条件
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内
- 事業場規模100人以下
支給のための条件
- 賃金引上計画を策定すること
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定) - 引上げ後の賃金額を支払うこと
- 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
( 単なる経費削減のための経費、職場環境を改善するための経費、通常の事業活動に伴う経費などは除く。) - 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと
助成金額
「業務改善助成金」も様々なコースに分かれており、最低賃金をコースごとに決められている金額以上引き上げた場合、設備投資等にかかった費用の一部が助成されます。
※地域別最低賃金900円未満の地域(北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の39地域)のうち、事業場内最低賃金が900円未満の事業場に限り対象となります。
申請の流れ
①助成金交付申請書の提出
交付申請書等の書き方と留意事項について – 厚生労働省を参考に、交付申請書(様式第1号)を都道府県労働局に提出。内容に問題がないか審査され、通れば助成金の交付決定通知が届きます。
※生産性向上のための業務改善計画と、賃金引上計画が必要となります。
②業務改善計画、賃金引上計画の実施
業務改善計画に基づいた生産性向上のための設備投資、賃金引上計画に基づいた賃金の引き上げを行います。
③事業実績報告書の提出
業務改善計画の実施した結果と、賃金引上計画を実施した賃金の引き上げ状況を基に事業実績報告書(様式第9号)を作成し、都道府県労働局に提出します。
④助成金額の確定と支払い
内容に問題がないか審査され、通れば助成金額の確定通知が届きます。確定通知を受けたら支払請求書(様式第13号)を提出します。提出後、助成金額が支払われます。
※業務改善助成金の申請締切は2022年1月31日です。
助成金は予算の範囲内で交付するため申請期間内に募集を終了する場合がありますのでご注意ください。
まとめ
本記事で紹介したとおり「業務改善助成金」には、様々なコースがあります。
「働き方改革推進支援助成金」「キャリアアップ助成金」など、他にもさまざまな支援制度が用意されているので、自社にあったコースを選択し、成果目標に向けてしっかり取り組むことで、新システムの導入や労働環境の改善にかかるコストを減らすことができます。
働き方改革を推進する企業にとってこれらの助成金は大きなメリットになりますが、事前にしっかり計画をたてて、社内一丸となって進めていきましょう。